三菱一号館美術館(東京・丸の内)で開催中の「ヴァロットンー黒と白」(会期:2023年1月29日まで)を観てきました。
スイス生まれで、19世紀末から20世紀初頭にパリで活躍した画家、フェリックス・ヴァロットン氏の、黒一色の木版画に焦点を当てた展覧会です。
黒一色と、グッとくるデザインによる際立つコントラストな作品がずらり。引き込まれます。
「CHAPTER Ⅱ」(第二章)は写真撮影可能という贅沢な空間。
さらに展覧会に引き込まれるような工夫アリ☆
「<息づくパリ>口絵」 1984年 ジンコグラフ
「ブタ箱送り(息づく街パリ Ⅲ)」1893年 ジンコグラフ
・・・向かって左下の人、気になりすぎる。
「可愛い天使たち」 1894年 木版
キャプションボードの説明によると、
ヴァロットン氏の木版画に登場する子どもは、残酷な場面の傍観者として配されることもあり、
この作品では、
一見ユーモラスで愛らしい「天使」のような子どもの集団が、警官に連行される男を取り巻いている様子とのことです。
なお、第二章のタイトルは「パリの観察者」。
リアルなパリをヴァロットンの視点で描写した作品群のようです。
風刺画というジャンルに含まれるものもある、ととらえてよいのでしょうか?
描かれているパリの一場面はわかりやすくて、絶妙で、興味深かったです。
「死」をテーマにした作品の数々も展示されてました。美術展ではよく観るようで、観ないようなテーマ。版画だと怖さが増しますね。
パリの当時のファッション事情が垣間見れる感じで、気になった2点。
「ル・ボン・マルシェ」 1893年 木版
ル・ボン・マルシェは現在もパリ7区にある有名な高級百貨店であり、
1852年に開店した「世界最初の百貨店」とも言われているンだって。
ヴァロットン氏は華やかな装身具や流行の衣装を身に着けた、大量消費を支えた女性たちの姿を題材にしているとのこと。
「婦人帽子屋」 1894年 木版
「女の子たち」 1983年 木版
中央の女の子、印象的ですよネ。ミュージアムショップでも活躍してました(^^)
作品実物の展示だけでなく、プロジェクターによる作品の投影も。
「『罪と罰』」1901年
描かれている場面はいずれもエグい・・・ですが、ホント見入っちゃう。「罪と罰」掲載の作品集がほしくなっちゃうぐらいです。
そして展覧会終盤に、連作「アンティミテ」(1898年に限定30部で刊行)は実物が展示されているだけでなく、映像となって上映されています。
アンティミテの作品が一つ一つが映し出されるのですが、描かれた人物などが動きだすのです。
面白いです。そのうちの一つ、ポスターにもなっている作品「嘘(アンティミテⅠ)」の映像。
グッズも話題の展覧会。
シャツやマグカップなどいろいろあって、ポストカードの種類も多かったです☆
作品のポスターだけでなく、展示会ポスターも販売されてました。
買って帰ったグッズの一部。
「ル・ボン・マルシェ」のマグネット。おしゃれすぎ。
「婦人帽子屋」はポストカードのラインアップにありました。
図録、買うの迷ったけど・・・やっぱ買えばよかったかも~ていう心境になってます。
いつも展覧会行くと、そうなのよねえ。
久々に三菱一号館美術館に行きました。
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