2024年3月5日火曜日

【町田ことばらんど】「少女たちのお手紙文化 1890-1940 展」を観てきたョ☆彡【会期:2024年3月24日まで】

「町田市民文学館ことばらんど」で開催中の展覧会
「少女たちのお手紙文化 1890-1940 展 ~変わらぬ想いは時を超えて~」を観てきたョ☆彡
会期は、2024年1月20日(土)~3月24日(日) の10時~17時。
休館日は、月曜日(2月12日は開館)、2月8日(木)、3月14日(木)。
観覧無料。
なお、1F受付にて関連グッズ販売あり(16時45分まで)。

インターネットの普及により、一時は最も主要な通信手段だった手紙を書く機会が失われた一方で、
デジタル化による時間に追われる生活様式への反省から文房具や手書き文字が再注目され、
そして、行動範囲を制限した感染症の流行などが、合えない相手との心のこもった交流ができるツールとして、手紙を見直すきっかけにもなった・・・といわているようです。
今回の展覧会では、封筒・便箋などのお手紙道具、文通の場として読者投稿欄を設けた少女雑誌、実際に書かれた手紙などを通して、近代日本において少女たちが担っていた”お手紙文化”を振り返る、といった内容です。

ということで、感想みたいなものを。

スポンサーリンク


展覧会のタイトルに”少女”という単語が入っているように、
ガーリーかつレトロな雰囲気に満ちた内容です。

会場の序盤で説明がありましたが、
「少年」という言葉は、元々は、子どもという意味だったンだってヽ(゚Д゚)ノ!
明治期に女子教育の重要性が叫ばれるようになって、次々と私立の女学校ができ、そして法律によって小学校以上は男女別の教育が敷かれました。
女学生の誕生によって少女という集合体の存在が大きくなって、元々子どもという意味だった少年は男子のみを、女子は少女と呼ばれるようになりました。
で、1947年の学校教育法によって現行の学制が定めれ、女学校がなくなるまで、半世紀の間独自の少女趣味が開花した・・・ということだそうです。

実物の手紙展示が印象的でした。
著名人の手紙ではなく、
送り主・受け手は名前を伏せたうえで、年代と、送り主・受け手の置かれた状況や時代背景などが記されたキャプションボードが添えて、展示されてマス。

・・・とは言っても、私には達筆すぎて(^^;、ホントに部分部分しか読めませんでしたが。
なので、通しで読めたら、また印象が変わったのかもしれませんが・・・

なにも現代が昔より悪くなっているわけじゃないのでは、と思ったのです。

展示されているのは、大正~昭和初期ぐらいの手紙。
当時は電話があったとしても、少なくとも現代の感覚で使えるようなものじゃなかっただろうナ。
なので、手紙は、実際に会って話す、ということの次ぐらいに重要かつ主要なコミュニケーションツールだったンだろうナ、と想像する。
つまりコミュニケーションツールが限られていたので、
その貴重な機会=手紙で、思いを、ちゃんと伝えないといけない。
だからなのか。実際通しで読めたら、まだ印象が変わったのかもしれないけど、言葉や文章ひとつとると、ストレートな表現が使われていることが意外でした(なんとなく、日本人は昔からそういうの苦手ってイメージがあったので)。
いや、現代に生きる私からしたらストレートな表現だと思っても、当時の人の感覚ではそうではないのかもしれないけど。
たとえば最後を「お返事ちょうだい」で締めくくっている手紙がいくつか展示されていたと思う。
「お返事ちょうだい」って、悪いこと言っているわけじゃないけどw、今だと、どれぐらいそういう言葉遣いがされているだろう。返事がほしい旨を書くにしても、もっとふわっと表現しそう。
で、当時の人は達筆だから余計コワさが増すのだw
まあ、「お返事ちょうだい」というのは、単に送り主がその意図をもって書いているだけでなく、手紙の例文集に載ってそうな文言ではあるので(しらんけど)、それを参考にして書いているだけなのかもしれませんけどね。
・・・・他にも、現代だったらキツいかもしれない、という印象を受けた表現がいくつかありましたが。
ということで、貴重な資料ですネ。

現代は通信の手段がめっちゃあるから、一つの手段がダメでも代替が利く。
スタンプや絵文字の登場なんて、
現代の繊細なコミュニケーションにメチャ一役買っている感じですもんね。
勿論、現代なりのコミュニケーションの難しさもありますが。

「封緘(ふうかん)紙」のコレクション(大正中期~昭和初期)も展示されてました。
封緘、といえば・・・私は、学校で卒業証明書を発行してもらった際に、封筒の封の部分に「緘」というスタンプが押してあるのを見たことがありマス。
封緘紙の収集が楽しまれていた時期があったようです。
展示されていた封緘紙は、シールになっているのかナ?それとも、糊付けして使ったのかナ?
ともかく、見た目はちっちゃなシールで、様々なデザインあり。
現代の「緘」スタンプみたいなデザインのものもあれば、
花、天使、蝶々、人などなど・・・・・・
セミのデザインが印象的でした。使えば、まさに封に小さなセミがとまっているような感じw 私はこういうの好きだけど、当時の女子にもウケたのだろうか??

また、
封緘の印に√3が書いてある封筒が展示されてました。
√3は割り切れない=開かない=きちんと封がされている、という意か?・・・という考察がキャプションボードに。オモシロイ。

実物の手紙展示では、
便箋や封筒、同封物などで構成されてマス。
このころの便箋や封筒って今と比べるとコンパクトサイズ☆彡
封筒は色とりどりで、着物の女性や妖精さん、花、風景などが描かれてマス。
その封筒に入るように、便箋が小さく折りたたまれていたことが、折り目でわかります。
女学校の卒業生に送った下級生からの手紙に同封されていた押し花も展示されてました。かわいらしいなあ。
・・・押し花ってまだ私が小学生の頃は、子どもたちの間でやってみたい☆彡ていうコトだったョ。

女学生にとって、便箋、封筒、万年筆、ガラスペンなどを手に入れるためにまちなかの百貨店や文具専門店へ出かけるのは楽しいことだったようです。
京都京極さくら井屋(紙物問屋)は人気店で、会場にはさくら井屋の封筒が展示資料にたくさんありました。
さくら井屋って今もあるのかナ?と思って検索してみたら・・・2011年に閉店されているようです。行くチャンスがあったといえばあった・・・行ってみたかったなあ。
東京のほうで人気だった文房具専門店では銀座伊東屋が挙げられました。伊東屋って・・・あの伊東屋みたいですね。青葉台にもある。確かに、なんか特別な雰囲気ありますよネ。関東に住むまでは、伊東屋のこと知らなかったナ。関東の文化、という感じがする。

お手紙用品を買ったり、集めたりすることにワクワクする気持ち・・・私でもワカル気がする。小学生の頃は、レターセットが大好きでしたから(*´▽`*) 漫画雑誌の付録にレターセットが付くときは本当にウレシカッタですし、文具店で買って、コレクションにするのも楽しかった。もちろん、封をする際のシールの存在も重要でした。まだぜんっぜん!ネットが庶民に普及してない頃でしたネ。FAXでようやく・・・てぐらいでしたでしょうか。

展示物を見つつ、いろいろなことを思った展覧会でした。オモシロカッタ\( 'ω')/
手紙が登場する文学作品の紹介もありました。現代の作品もたくさんあって、面白そうだと思いました・・・久々に読書したくなりました。

会場の終盤、「通信欄」には、観覧者が感想を書いた付箋がぺたりとたくさん貼ってありマス。
私はことばらんどの展覧会が大好きで、よさを知ってもらいたい!と思っているのですが、自分以外にも展覧会を楽しまれている方々の存在を確認することができて(そりゃいらっしゃるだろうけど、いつも一人で観に行くので(^^;)、ヨカッタ。

ことばらんどは会場外の装飾もこだわりがある。


【町田市文学館ことばらんど】
所在地 東京都町田市原町田4-16-17
(JR横浜線「町田」駅から徒歩9分
または小田急「町田」駅から徒歩10分)

スポンサーリンク

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。

以下、人気の投稿